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日々、徒然。 SSはカテゴリの『突発小説』と『お題小説』へ
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夏以降の変化がめまぐるしく、なにやら色々ありまして(汗)
別れて東京から実家に戻っていたり(同棲三ヶ月持たなかったよ☆)
アニキュー!! が終わったショックから立ち直れず、何回も見なおしていたり(早く2期をください!!
ツッキーが好きすぎて、いろんなツッキーの可能性を考えてモダモダしてます。
ツッキーで支部めぐりしたいところですが、ツッキー単品萌なもんで、CPが軽く地雷(遠い目
でもまだ自家発電しないと無理! ってほどハマっているわけではなさそうです。


ってか、☆野先生っ!!!!!
癒やしをありがとーーーーーー!!!!!!!
二次創作なんてやっててごめんなさい!
貴方様の作品が一番です!! 一番の心の糧ですーーーー!!!!!

感動しすぎて体の奥底からこみ上げてくる熱く滾る何かに抗うことなく叫びたくなったよね☆

いやー、すっごく単純だな―とは思うけれど、創作意欲が湧きました。
神アレ書きたい!!!! って。

わたくしごときの文章とキャラ設定では原作にホント申し訳なくなる限りではあるんですけど、書きたいんですすみません。

で、青春の軌跡の続きに着手してみたんですけど、なんか・・・・・・
文章が思いつかないww
何を書けばいいのか、頭が真っ白になるww


ってことで、ちょっとリハビリを兼ねて小話でも書いてみようかなーーーと思い立ってブログを久々に書く気になってみたり☆


ではでは、思いつくままに書きなぐります!!





拍手[12回]










設定:現代学パロ・11月

<神田さん>
・高3、受験勉強中
・性格に難ありな超絶イケメン(言わずもがな)
・ラビ(高3)・リナリー(高2)以外との交流はまるでなし

<アレンちゃん>
・高1、ぼっち属性、帰宅部
・白髪、顔の傷、奇っ怪な左腕で嫌煙されている隠れ美人
・基本無口・表情がない


アレンちゃんって実は美人。ってことに気づいてから、その存在はずっと気になっていた神田さんサイド(恋未満)。
あることがきっかけで、ただ気になるだけの存在だったアレンちゃんを好きになっちゃう神田さんの話が書けたらいいな(遠い目)←中途半端でも書けなくなったら放棄しちゃいます、すみません宣言








<本編>


(人、形……んなわけねぇか……)
 ある晴れた四月のある日。男は、白くて発光している少女に目を奪われた。
(でも、なんだよあの髪……眼の色も……作り物みてぇ)
 短めの真っ白な髪。透明度の高い白い肌。透き通るような、灰色のような銀色のような瞳。
 ここが教室でなければ、男は精巧な人形だと信じて疑わなかっただろう。
 窓際、一番後ろの席に座り、膝の上で本を広げている。風になびく白い髪が周囲に光の粒を散らし、輪郭が光で縁取られていた。光に溶け込んでいるような、今にも光の中に消えてしまいそうな――そんな印象さえ受けた。
(新入生、か? こんなやつ、一度見たら忘れないだろうし)
 男は白い少女から一つ離れた席に腰掛け、椅子に浅く腰掛けて上半身をせもたれに預けた。
 四月。学校という場所にいる以上、避けては通れない委員会活動の最初の集会。委員長やその他もろもろを決める最初の集会だったので、その日は授業の一環として行われた。全校生徒が参加せざるを得ない状況下で出向いた1年生の教室。3年になったばかりの男にとっては滅多に来ない場所。そんな場所で見つけた白い少女が少し気になり、多少観察できる場所に陣取ったのだ。
 委員会が始まるまでは今暫く掛かるだろう。全学年、全クラスからそれぞれ1名ずつが選出され、集まっているこの場。知人友人がいて早速グループを作っている生徒もいるが、ほとんどは見ず知らずの人間ばかりがいる中で静かに過ごしている。
 男は何処にいても、どんな状況であっても、周囲の人間の視線を集めてしまうタイプの人間だった。何もしなければ視線だけでなく身動きが取れなくなってしまうほどに人が集まってきてしまうタイプの人間だった。男は自分の容姿に興味はなかったが、幼い頃からずっと継続している周囲の反応を見ていれば、自分の容姿が優れているのだと自覚していた。
(こいつ、羨ましいな……)
 視線が集まって欲しいなどと望んだことは一度もない男だからこそ、気付き、羨ましいと思った。白い少女は男とは違う。人とは違う容姿なので少女にも視線は集まる。しかしその集まった視線はすぐに消えるのだ。その後、人々は極力少女を視界に入れないように努めているようにも見える。
 少女を羨ましいと思うと同時に、不思議にも思った。男の場合、視線を感じると辺り構わず睨み散らす。すると一時は視線が散るのだが、チラチラ見られたり、すれ違いざまに凝視されたり、睨まれたけれどそれでもどうにかして見ようと努力される。それは美しいものを何度も視界に入れて目に焼き付けようとする行動なのだと、男の知人が言っていた。それが正しいというのなら、この白い少女も何度もちら見されておかしくない。現に、男は常に少女が視界に入る場所を陣取って、今も観察をしている。男の知人が言った通りかは分からないが、もう少し見ていたいとも思っている。それなのに、周囲の人間は少女を視界に入れないようにしているのだ。理解できない。
 暫くして委員会が始まった。委員長及び役職の選出が始まる中、男は傍観し続け、約一時間後に委員会は終了。少女は終始顔を上げることはなく読書に集中していて、委員会が終了し自身の教室へ帰っていく生徒の波が少し収まった頃になってやっと顔を上げて立ち上がった。
 男は一番後ろの真ん中の席でふんぞり返るように座っていたので、謀らずとも少女の行く手を阻む形になってしまった。目が合う。
 男は立ち上がって椅子を机に収め、先に立ち上がった少女よりも先に教室を出た。
(なるほどな。あんなにでかい傷があったのか)
 委員会中、疑問に思っていたことの答えを見つけ、男はスッキリとした気持ちで自分の教室へと帰っていく。
 男がずっと見ていたのは少女の右側。横顔だけだった。正面から見ることが叶ってやっと、少女の顔の左側全体に大きな傷が走っていることを知った。長めの前髪を左に流しても隠し切れないほどの大きな傷。人とは違う真っ白な容姿に視線が集まっても、その傷があるから視線が逃げる。白髪で、尚且つ顔に傷。あまり関わりたくないと思うのかもしれない。
(ってことは、俺の顔にも目立つ傷でもあれば……)
 男が教室から出ると、廊下にいた女子生徒がざわついた。他の教室から出てくる女子生徒も男を見ると一瞬固まり、顔を赤らめる。
「なに、あの人……モデル? カッコイイ!」
「三年の神田先輩だよ! 知らないの?」
 男は視線が集まっていることにも、自分が話題にされていることにも苛立ち、周囲を睨みながら、時々舌打ちをしながら足早にその場を去った。

 男が他人に対して容姿が優れていると思ったのはこの時に見かけた白い少女が初めてだったが、基本的に他人に興味がない。その後二度と委員会に顔を出すこともなかったので、次に少女を見かける時まですっかり忘れ去っていた。


「アレン! アレンってば!」
 乾いた枯れ葉がカラカラと音を立てて転がる晩秋。聞き馴染んだ声に窓の外に目を向けると、右目に眼帯をした夕日のような色の髪の男が、白い髪の少女を追いかけているところだった。
 3年生の教室は一階にあり、窓の外は中庭になっている。その中庭を横切る渡り廊下に二人はいた。
「ちょっと止まって、オレの話し聞いてさ!」
(兎、あの白い奴と知り合いだったのか……)
 男の名は神田ユウといった。眼帯の男はラビという名の、神田の数少ない知人の一人。すっかり忘れていたが、春に見かけた白い少女とラビは知り合いだったようだ。
「ラビ、邪魔です」
 ラビは両手を大きく広げ、白い少女の前に立ちふさがっている。そしてニッコリと笑った。
「だって、こうでもしないとアレンは話し聞いてくんないし?」
「だから、何度も断ってるじゃないですか」
「おう、でも諦められないんさ。アレンが頷いてくれるまで、諦めるつもりないし」
 ラビと白い少女のやり取りに気づいたのは神田だけではない。
「おーい、ラビ! こんなところで堂々と後輩口説いてんのかーー?」
 茶化すような野次が神田の教室から、その隣の教室からも聞こえていた。野次に向かってニッカリと笑ったラビが手を振る。根っからのお調子者なので、騒ぎの中心にいることが楽しいのだ。
 しかし、ラビの注意が野次に向いた隙に、白い少女はラビの鳩尾に容赦の無いボディーブローをねじ込み、膝から崩れ落ちたラビに見向きもしないで足早に去っていった。
 復活したラビは笑い者になりながら、少女を追うことはせずに教室に入ってきた。神田が様子を見ていたことに気づいていたのか、照れ笑いを浮かべて神田の前の席に落ち着く。
「みんなに恥ずかしいとこ見られちまったさ」
「……お前でも、恥ずかしいと思うことあるんだな」
 神田は素直に驚いていた。いつも恥ずかしげもなく笑いの中心にいるのがラビで、恋多きがラビで、振られてもめげずに次の恋に没頭するのがラビで、今更女に邪険に扱われているところを大勢に見られようが恥ずかしいとは思わないのがラビだと認識していた。
「いやー、女の子に完全に伸されたところを見られれば、そりゃ恥ずかしいさ」
 神田は勘違いしていた。ラビが恥ずかしいと思ったのは振られたところを見られたことだと思っていたのだが、違うことに気づき――確かに、女に殴られて完全に膝をついて苦しんでしまったところを見られれば恥ずかしくもなると納得する。
「さっきの女って」
「アレンのことさ?」
「名前はどうでもいい。お前、知り合いだったんだな」
「おう! って、え? ユウ、アレンを知ってたんさ?」
「春に見かけた。委員会が一緒で」
「他人に興味持たないユウが、アレンを認識してたとか……びっくりなんだけど」
「あんな白いやつ、一度見たら忘れないだろ」
「……ま、そっか。確かに独特な容姿だとは思うけど、見慣れればなんとも感じないんだけどな。ってか、聞いてさ! アレンってばホント容赦なくって、あんな可愛い顔して的確に急所をついてくるんさ! 超武闘派で、前に全部攻撃避けてやろうって意気込んでったのに、何されたかわかんないまま気絶してたこともあるんさ!」
「へぇ」
「名前で呼んでくれるようになったの、つーか、アレンの声を聞けるようになったのもホント最近の話で……友達になりたいって言ってるのに、頷いてくれないんさ」
 ラビは春にアレンを見かけてからずっと気になっていて、何度もアレンに話しかけていた。しかし思いっきり無視されるのでムキになってしつこく話しかけるようになり、うざがられて暴力で黙らされる。ということを繰り返し、11月になってやっと『ラビ』と名前で呼んでくれるようにはなったが『邪魔です』『どいてください』くらいしか言ってくれないので会話になった試しはまだないらしい。
 神田から見るラビはコミュニケーション能力に長けていて誰とでもすぐに仲良くなれるタイプの人間だった。他人の懐に入るのが上手く、いつの間にか知られたくないl秘密を握っているような情報通でもある。
「ちなみに、ユウはアレンに少し興味あったりするんさ?」
「は? なんで俺が」
「ちょっと実験に付き合って欲しいんさ」
「実験?」
「老若男女問わず全ての人類が認める超絶イケメン・ユウ! だったらアレンも興味示して話し聞いてくれるかなーー? って」
「俺に、あの女と話してこいと? お前、あの女が好きなんじゃねぇのかよ」
「ん? アレンに恋愛感情はねぇさ。どうしたら仲良くなれるのか、すっげー興味はあっけど」
「興味、か」
「無理に、とは言わないけど、もしユウもアレンに少し興味があるんだったら、1回話しかけるくらいの実験に付き合ってさ?」

 翌日の昼休み、神田はラビに連れられて屋上に向かった。屋上の入り口には鍵がかけられているのだが、屋上の入り口にある踊り場には少し高い位置に小窓があって、小窓の鍵は内側から簡単に外すことができる。その小窓の高さは床から170㎝。登ることができれば屋上への出入りは可能だった。
「多分、今日もアレンは屋上にくると思うから」
 ラビが顔を見せると警戒するかも知れない。ラビと神田が知人だとわかっても警戒するかもしれない。ということで、神田だけが小窓を抜けて屋上へ。

 秋晴れ。高い空には雲ひとつない晴天だった。風は少々冷たいが、太陽の光はとても暖かい。
「……こんなところがあったとはな」
 三年間も在籍している高校。屋上がこんなにも静かで過ごしやすい場所だとは思ってもいなかったので、一度も足を踏み入れたことはなかった。夏と冬は厳しい環境になるだろうが、もう暫くは凍えることなく過ごせるだろう。
 屋上を囲むフェンスがあるが、そこに近づくと向かい側の校舎や校庭から神田の姿が見られてしまう可能性がある。鍵のかかった出入口の前に一段段差があるので、そこに腰掛けてアレンを待つことにした。
『偶然を装って屋上で会えたら、最低でも一言二言は会話できるはずさ』
 そんなラビの言葉を思いながら待っていると、小窓が開く音がして顔をあげると、何かが詰まった白い袋が投げ出された。
 直後、全開になった小窓に手がかかり、アレンの上半身が現れた。そこからアレンは反転し、窓枠に腰掛けて、窓枠の上部を掴むと器用に下半身を抜き出し、流れるような無駄のない動きで着地。神田にとっては目の高さにあった窓だったので出入りに少し苦労した程度だったが、アレンにとっては見上げる高さにある窓。そこを難なく出入り出来るだけの運動神経もあるし、慣れるだけ屋上に通っているということなのだろう。アレンの動作に神田は少し感心していた。
(つーか、パンツが……もろに……)
 屋上に先客がいるなどとは考えていなかったのだろう。制服のスカートが翻るのなどお構いなしだったアレンの動作は、パンチラどころの話ではなかった。
 思いがけず女性の生足と下着をもろに直視してしまった神田は、眼の奥に焼き付いてしまった悩ましげな眩しいほどの白に、思わず頭を抱えた。
「すみません、先客がいると思ってなかったので……見ちゃいましたか?」
 思いがけず、アレンの方から話しかけてきた。
「ああ、もろに」
「お目汚しすみませんでした。忘れてください」
 顔をあげると、無表情のアレンが神田を見下ろしていて、目が合うとすぐに視線が逸れ、アレンは地面に落ちた袋を拾い上げて窓に手をかけた。
(はぁ?)
 神田は驚いて立ち上がる。ラビに言われて待っていると、アレンが来た。しかしアレンは今入ってきた窓から帰ろうとしている。
 窓を掴んだアレンは右足で壁を蹴りあげて身体を浮かせ、蹴りあげた反動で上半身を窓の奥へと滑りこませる。無駄のない滑らかな動きで。
「あの……何か用でもありましたか?」
 頭上からの声にはたと気づけば、神田はアレンの太ももに抱きついていた。アレンが帰るのを止めようと咄嗟に動いた結果だ。
 突然の静止に驚いたのだろうし、足を掴まれては身動きが取れないのだろう。アレンは袋を抱え窓枠にしがみつきながら、神田を見下ろしている。
「わ、悪いっ!」
 抱え込んでいるアレンの両太ももを離そうとしたのだが、態勢の悪いアレンの腕が窓枠からずり落ちそうになってしまったので――アレンの態勢が整うように抱え直すという選択をした。右腕で膝を抱え、左腕で腰を支える。するとアレンは神田のしたいことに気づいたのか、窓枠にあった手を神田の肩に移した。
 アレンの全てが神田に託されて、不思議そうなアレンの視線が神田の視線と交わる。視線を合わせたまま、神田はゆっくりとアレンを降ろした。
(やべー、何がしたかったんだよ、俺……)
 アレンの太ももに抱きついてまで何がしたかったのか。アレンとなんの話もしないままに帰してしまっては、ここに来た意味がなくなるから止めた。という理由では、アレンの太ももに抱きついてまで引き止める理由にはならないと思える。
「あの、僕、睨まれるようなことしましたか?」
「っ、睨んでるわけじゃねぇ!」
 神田はアレンから目が離せないままだった。アレンと視線が交わったまま言い訳を必死に考えていたので、眉間に力が入り、結果アレンを睨むことになってしまったのだ。慌てて視線を逸し、一歩後退する。
「その、悪い。変な引き止め方して」
「変な……ああ、気にしてないので構いません。で、僕を引き止めた理由はなんです?」
「なんつーか……」
 神田は焦っていた。これまでの人生で経験したことがないほどに焦っていた。焦りで全く上手い言い訳が思いつかないくらい、頭が真っ白になるくらい焦っていた。
(くっそ、なんか言わなきゃいけねーのに!)
 引き止めたのだから少しは会話らしい会話を。そう思うのだが、脳裏にチラつく眩しいほどの白い残像と、白く柔らかな太ももの感触が神田を支配していた。
(なんかすげーいい匂いしたし、軽いし細いしやわけーし、なんなんだ!)
 決して表情や態度には出さないが、神田は本当に取り乱していた。
 他人に全く興味がなく、集まってくる女性は星の数ほどいるが触れたことなど一度もなかった。初めて触れた女性がアレンだった。
 嫌な沈黙と、神田の行動の意味を問う揺るがない視線がより一層神田を焦らせる。
(落ち着け! とりあえずなんか話題を考えろ!)
 焦りながら、アレンが持っている袋に目が行った。
「……飯、食うつもりだったんだろ?」
「まぁ、そうですけど」
「俺に気にせず食え」
「はぁ……」
 神田はさっき座っていた場所に戻る。屋上の出入口に背中を預け、少しでも落ち着こうと空を見上げた。
 屋上に段差は出入口の前と、フェンスの土台にしかない。アレンもひと目に付きたくないのかフェンスに近づこうとはせず、神田から距離をとって扉の前の段差の端っこに腰掛けて袋を開けた。
 食事の場所を変えようとしてもまた神田に止められると思っているのか、場所を変えるのが面倒になったのかは神田に判断はつかない。しかしとりあえず食事を始めたので、まだ目的を達するチャンスはあると安心する。
「ってお前、それ全部今食うのか?」
 思わず口にしていた思ったままの感想。アレンは袋からお茶のペットボトルと手製のおにぎりを取り出したのだが、おにぎりの数が――20個。
 神田の問に一瞬動きを止めたアレンだったが、何も答えず黙々と食べ始めた。
「って、丸飲みか!」
 ラップに包まれたおにぎりを取り出し、大きな口を開いたと思ったらまるごと口の中に放り込まれたことに驚く。
「おい、今、ちゃんと噛んだか」
 二三回もぐもぐと口を動かしてごくんと飲み込んだので、また驚く。
 煩いな。アレンが眉をひそめて神田を見た。僕の勝手でしょ。とでも言っているかのように、ぷいっと顔を背けて次のおにぎりを口に入れる。一つのおにぎりを食べるのに5秒という早さに、神田は言葉を失って凝視し続けていた。
 あっという間に完食したアレン。一気にお茶を飲み干し、ゴミをまとめる。そこからの動作は早かった。神田が唖然としている間に、今度は止めに入る間もなく帰ってしまった。
 アレンが小窓に姿を消し、その様子をずっと見ていた神田はうなだれる。
「また、パンツ……」
 ちょっとした興味と実験でアレンと話すために来たのだか、会話にならず。パンツと太ももの感触だけど鮮明に残し、この日の昼休みは終了した。

 その後、様子を見に来たラビに報告を求められたが、報告らしい報告は何一つできず。
「なんなんだ、あいつ。パンツ見られて平気な顔して謝ってきたぞ?」
「あ、それ、オレも謝られたことあるさ! 多分、アレン的にはパンツくらい見られてもどうってことないんだろうけど」
「問題だろ、それ」
「だよなー、オレ等にとっちゃ、女の子のパンツはパンツだもんなーー」
「って、お前、どんなタイミングであいつのパンツ見たんだよ」
「超華麗なハイキックされた! で、パンツ見えたって言ったら、お目汚しすみませんって」
 アレンとか関わったのはほんの少しだけだったが、他の女とは違う存在だと神田に知らしめるには十分で、一層アレンに興味が湧く事となった。





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プロフィール
HN:
艶香
性別:
非公開
自己紹介:
へタレ文章を書くことを日常としている暇人。
座右の銘は「適当」。←良い意味で。

好きなもの
音楽→ジャズ時々クラシック。邦楽も洋楽も特定の歌手に興味はなく、「この歌手のこの歌が好き」歌手自身を好きになることは稀。

漫画・アニメ→数知れず。基本的には全否定しながら見始め、マイナスからの加点方式で好きになっていく。恋愛要素少ないに越したことはない。

小説→小難しい言葉が多用されているもの、恋愛メインのもの以外なら何でも好き。一番読み漁ったのは推理小説かな?

映画→ディズニーの作る映画は全面的に信用してます。アニメもCGも実写も。ジブリは宮崎駿作品のみ好き。ラブロマンス・ホラーは一切見ません。(過去には好んで見てたけど)

ドラマ→基本的に見ません。

哲学→クルト・ゲーテル。神の存在証明とか結構好き。(無宗教ですが)

心理学→フロイト派です。
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